腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。が良かった

NHKドラマ「腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。」。

主演は金子大地さん。

ヒロインは藤野涼子さん。

原作は、浅原ナオト氏の小説「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」です。

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BL好きの女子高生・三浦さんが、同性愛者を隠して暮らしている同級生の純を好きになり、付き合っていく・・というストーリーです。

ドラマタイトルもちょっと狙ってる感じがしてコミカル路線かと思いきや、全くもってシリアス路線でした。

ゲイに悩む青年・純の、心の描写が丁寧で。

不器用な性格の純だけど、それを上手に演じている金子さん。

抑揚がない台詞回しは、きっとわざとなはず。

西島秀俊さんや真木よう子さんを彷彿とさせる雰囲気を持っています。

褒めています。

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そして、なんといっても藤野涼子さんが良い。

こんなに良い女優さんだとは思わなかった。

一見して、キャストを見たとき、素朴過ぎる感じに「可愛くないやん」と失礼な事を思ってしまったけれど、即撤回。

こういう感じがいそうでいないんです。

素朴なんだけど、垢ぬけないんだけど、そこがリアルというか。

女子高生が純粋に人を好きになっていくフレッシュなワクワク感とか、ふとしたことを不安に思う目線や動向を本当にうまく演じる女優さんです。

お世辞抜きで、この世代で、唯一無二の存在。

変な意味でなく、この子は脱げる女優になるとも思う。

 

物語序盤は、純がゲイだという後ろめたさは3割、高校生カップルの爽やかさが7割で、ぎこちなくも"普通に"生きようと、生きたいとしている純の姿が印象的だった。

三浦さんもサブカル寄りで底抜けに明るくて。

谷原章介さん扮する純の彼氏のマコトとのキスシーンに遭遇したとき。

その時の、驚きやらとまどいやら妬みやら好きやらを含んだ表情がなんとも言えませんでした。

カミングアウトしてからの展開、ゲイがどうこうっていうより、純が感じるもどかしさや、世間とかけ離れている孤独感を感じて号泣させてもらいました。

 

あともう1人。

忘れてはならない、純の幼馴染で親友役の子。

誰だろう・・・と思って調べてみたら、小越勇輝やん!!

テニミュボーイじゃないですか。

全く気づきませんでした。こんなに化ける役者だったとは。

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モテボーイなんだけど三浦さんの事を片想いする、ひょうきんだけど繊細ないい仕事をする、いい子なんです。

顔もクリクリと目がでかくて主演顔なんだけど、こんなにいいバイプレイヤーとは思わなかったわ。

 

期待の若手の宝庫のドラマ。

3年A組とか目立った感じの、あからさまな若手俳優詰め込みましたドラマではないし。

それぞれが、それぞれの難しい役をこなしてて。

アイドル的な感じで揃えてないのがまたいいし。